2009年07月28日

第96回ツール・ド・フランスを振り返る 4

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Tour de France 2009 Stage Twenty One

ツール・ド・フランス2009ロゴ第96回ツール・ド・フランス、23日間、21ステージ、3500kmに渡る闘いが終わりました。怪我のためにこの1ヶ月走れていない私は、3週間、どっぷりとツール・ド・フランスに浸かっていました。日々の結果をまとめ、次のステージの予測をブログに書き連ねましたが、日本人選手の出場もあり、普段よりも情報が多く、楽しい日々を過ごすことができました。レースを終えて、あらためて今年のツールを振り返ってみます。

総合争いでは前評判の通り、アルベルト・コンタドールの強さは際立っており、サクソバンクのシュレック兄弟と予想以上の大健闘を見せたガーミンのブラッドリー・ウィギンスを除けば、同じチームのランス・アームストロングしかライバルがいませんでした。2年連続2位に甘んじているカデル・エヴァンスはドーフィネ・リベレからの悪い流れを断ち切ることが出来ず、昨年王者のカルロス・サストレも奮いません。

レースの流れを見てみると、序盤こそサクソバンクとコロンビアの果敢な走りで緊張感のある展開になったものの、ピレネーでアージェイドゥゼルのリナルド・ノチェンティーニがマイヨジョーヌを着たことで「勝負所はアルプス」という空気に集団が支配されました。加えてUCIが試したチームラジオの無い第10ステージではリスクを回避する意識が強く集団に働き、退屈なレースを生み出しました。総合争いでは全く緊張感のない1週間を過ごすことになったように思います。一方で、総合争いに関係ないところでステージ優勝が決まる展開は、積極的に動いた多くの選手達に栄光をもたらしたことも確かです。終盤は要所でコンタドールがきっちり総合首位を奪い、その後は最強のアシストとなったランス・アームストロングとともに、アタックを抑え込み、タイム差を維持したために、勝負所とされたモンヴァントゥーを前に大勢は決してしまいました。

Tour de France 2009 Stage Twenty One

各賞の結果を見てみましょう。ポイント賞はスプリントポイントを稼いだ選手に与えられるもので、最速の選手に与えられるものではないことがわかります。トル・フースホフトは最速ではありませんでしたが、峠のあるステージで積極的に前に出て、ポイントを積み重ねました。カヴェンディッシュは山岳ではすぐに後ろに下がって完走を目指していたので、ステージ6勝しながらも、マイヨヴェールを逃しても仕方ないでしょう。それにしても平坦基調のステージで、コロンビアは強かった。シャンゼリゼを含めヒンカピー、レンショーの牽きでほぼ勝敗の行方が決まってしまったステージもありました。シャンゼリゼのゴールスプリントというと、トレインの潰し合いでガチャガチャになってしまうというイメージがありましたが、レンショーが先頭に立った時点でカヴェンデイッシュしか後ろに付いていませんでした。ペリツォッティは山岳賞を目指して積極的に動き、山岳賞と総合敢闘賞も獲得しました。昨年のジロ・デ・イタリアで激坂の個人タイムトライアルを制したときも強いと思いましたが、今大会でも素晴らしいパフォーマンスを見せてくれました。でも彼にはもっと急な坂の方が良さそうですね。ツール・ド・フランスの峠は距離は長いけど道は広く平均斜度も緩めです。アンディ・シュレックは2007年のジロ・デ・イタリアに続き、ツール・ド・フランスでも新人賞を獲得しましたが、次こそ色のついたジャージが欲しいでしょう。

Tour de France 2009 Stage Eleven

日本人選手2人に目を向けると第2ステージで早くも結果を出した新城幸也選手ですが、その後は山岳組とスプリント組にまっ二つに分けられたチームオーダーもあり、なかなか思うようなレース運びが出来なかったように見えます。一方別府史之選手は第3ステージの横風アタックを始め平坦ステージでは堂々と集団を牽く姿が目を惹きました。それはツール初出場のプロコンチネンタルチームのアシスト選手のものではなく、プロ5年目の貫禄さえ感じさせるものでした。後半別府選手は調子を上げ、山岳ステージでも中位でゴール、そして第19ステージでは先頭集団に残ってスプリントに参加、必死のもがきで7位に入賞しました。シャンゼリゼで決めたアタック、そして敢闘賞の獲得は我々の予想をはるかに上回る快挙であり、夢のような1時間を過ごさせてくれました。

別府選手は今年春先からクラシックレースに照準を合わせていましたが、思うようなレースが出来ず、ブログには辛い心情を吐露するコメントが並んでいました。新城幸也選手が春のレースでめきめきと頭角を現し、ダンケルクの4日間の活躍でツール・ド・フランスへの出場を掴んだのに対し、ツール直前のルート・ド・スッドで山岳賞を獲得し、ツール代表に滑り込んだわけで、ツールに出てからの彼と今春の彼とではまるで別人のようです。第21スージのゴール後のインタビューに彼の気持ちの全てが凝縮されており、何度見ても泣けて来ます。

レース観戦については、Twitterの存在がレース観戦の方法を大きく変えたと思います。現地から果敢にTwitterによる実況を試みた@tour-sanspo.com-IINAはかなり苦戦しましたが、臨場感溢れる情報を届けてくれましたし、ランス・アームストロング別府史之選手をはじめ、出場選手達のつぶやきは国際映像からは決して伝わらない「実感」が伝わって来ました。リタイアして家で観戦しているリーヴァイ・ライプハイマーのつぶやきも面白かったし、ユルコミ編集室のポストしてくれた記事のフォローにも助けられました。でもブラッドリー・ウィギンスをフォローし忘れたのは大失敗。

また、日本人の出場により、インタビューを通じて普段は伺い知れないグルペットの様子が聞けたのはとても新鮮でした。そしてこれらはいずれもテレビではなく、Youtubeにシクロワイアードがアップしたものだったこと。Twitterと合わせてスポーツ報道の形が大きく変わろうとしています。

新城幸也選手もぜひTwitterを始めて欲しいですね。パケ死が怖いと思いますが。

追記:
新城選手のブログが更新されています。新城選手、パレードの写真、ここにありますよ

さらに追記:
別府選手のブログが更新されています。

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コメント一覧

1. Posted by おとうと   2009年07月28日 15:10
コロンビアトレインとカヴェンディッシュは凄いと思うけど、こう毎回毎回決まっちゃうと正直「またかよ」と思ってしまうね。他チームにももっと頑張って欲しい。

総合争いに関しては、チームTTに賛否が集まりそう。あれでエヴァンスやメンショフは脱落してしまった。チームTTは面白いとは思うけど、あんなテクニカルなコースでやるべきではないと思うし、時期も中だるみの第2週後半あたりが良いのではないかと思います。

それにしても日本人二人は頑張ったなぁ。。。
2. Posted by roadbiker   2009年07月28日 21:40
>おとうと

チームTTは開催するたびに文句が出ているみたいです。ランスも7連覇した時はチームTTの結果が大きく左右した時もあったはず。TTバイクは操作性が悪いし、複数人で走るように出来ていないので、もっと広い道でやるべきでしょうね。他のステージはあんなにテクニカルじゃないし。

チームTTはやるとしたら最初だと思います。短い距離で良いと思う。まあ、エヴァンスはドーフィネの時から調子が上がっていなかったし、メンショフはジロで疲れていたと思うので、あんなもんじゃないかな。

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